2007年10月12日

恩返し

tsutsumi.cd.jpg 
 
 詩人の堤江実さんから、新しく発売された詩の朗読CD「ありがとう」が届きました。

 堤さんは、アナウンサー、会社経営を経て、今は詩や絵本、翻訳などの著作業をされている、才能溢れるバリバリのキャリアウーマンなのに、お会いすると、フンワリと柔らかい方なのです。

 このCDからも、平和を願い、生きとし生けるものを愛しむ気持ちが、堤さんの優しい声を通して、フンワリと、でも真っ直ぐに伝わってきます。

 (*ご興味のある方は、堤さんのH.P.をご覧ください。)
http://homepage3.nifty.com/emitsutsumi/



 「ありがとう」を聴きながら、先日の酒田で伺ったお話を思い出しています。


 池田さんのお父さんは、戦前満州に渡った方で、池田さんは中国で生まれたました。

 その頃日本人は、中国の山東省などから、強制的に中国人を連れてきて、働かせていた時代です。
でも、お父さんは、中国人にも分け隔てなく、温かく接していました。

 ある日、職場で物が紛失したとき、まず中国人兄弟が疑われ、罰せられようとしたその時、お父さんは、
「彼等がそんなことをするはずがない。罰するなら私を辞めさせなさい。」
と矢面に立ち、その中国人兄弟を助けたのでした。
 それから、その兄弟は、お父さんの家にも時々遊びに来るようになったそうです。

 さて、終戦を迎え、池田さんは命からがら、一人で日本に逃げ帰ってきました。
 お父さんの故郷、酒田へ戻ったものの、中国に残した母親や妹・弟の
安否を気遣い、半ば諦めていた矢先、全員無事で帰国することが出来たのです。
 聞くところによると、お父さんに助けられた中国人兄弟が、
「私達は、お父さんに助けられたのですから、今度は、私たちが皆さんを、何としてでも日本に無事帰してあげます。」
と、手を差し伸べてくれたからだったのです。

 その後、池田さんは、その中国人兄弟にお礼が云いたくて、一生懸命人を介して捜しました。
すると、その兄弟は、日本人の帰国の手助けをした罪で、投獄されていたのでした。
そして、池田さんがやっと居場所を探し当てたとき、お兄さんのほうは、それが元で亡くなっていました。

 池田さんは、中国に行き、やっと出所した弟さんと対面。
自分達家族の為に投獄されたことを詫びましたが、弟さんは笑って、そのことは、何も語ろうとしませんでした。

 その後、池田さんは、何回も中国を訪ね、弟さんと交流を深めてきました。
弟さんの息子さんが日本に留学したときは、そのお世話もしたそうです。

 こうやって、何代にもわたって、お互いに恩返しをし合い、国境を越えて友情を深めているそうです。



posted by ピロコ at 01:52| Comment(0) | TrackBack(0) | ことばの世界 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。