2012年06月11日

ノンフィクションとフィクションの狭間で


男子バレーボール 植田ジャパンがロンドン・オリンピックに行かれない!
本当に残念です!
アジア代表としてオリンピックに参加することが、こんなに難しいとは・・・。


さて、私が朗読講座を担当する専門学校では、1クール目の中間試験が行われました。
「ういらう売り」の分かち読みをグループ毎にやらせました。

そんな中、久しぶりに、本のお話です。
心血を注いで取材し続ける作家の、使命感を感じさせる本達のご紹介を。


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重松 清氏の小作品は、朗読に本当によく使われますね。
この方の書くものは、ストーリーも表現もぐんぐん引き込まれて、いつも魅せられてしまう。

最近読んだ『希望の地図 〜3.11から始まる物語』は、
重松さんの“フリーライター田村 章”としての側面を、全面的に打ち出した作品です。

登校拒否児童になってしまった中学生の光司クンを、取材に同行させるという形で、
お話しは進んでいきます。
光司クンの目を通して、私たちは、被災地の景色をまざまざと感じさせ、光司クンの思いを
通して、ともすれば離れがちになる私達の被災地への思いを、引き戻してくれるのです。

重松さんは、次の世代へバトンを渡すために、この取材を今も(そしてこれからもずっと)
続けていかれるのですね。

私達も、まだ何も変わっていない被災地の現状(つまりは日本の現状)を、いつもきちんと
受け止めなければいけない。
この本を読むと、その思いを強くします。


「夢と希望の違いってなんだと思います?」
「夢は無意識のうちに持つものだけれど、希望は、厳しい状況の中で、苦しみながらも
 持つものなんですよ」(文中より)




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こちらは、山崎豊子さんの有名な作品で、今年の春にTVドラマとしても放送されていた
『運命の人』

私は、ドラマを観始めてから読みだしたのですが、文庫本の第4巻は、まさに圧巻です。
ドラマでは、最終回の特別編の部分なのですが、物語のストーリーを飛び越えて、
沖縄の現状をもっと日本人は知らなければ!、と強く思わせる巻なのです。

山崎さんが、安価な文庫版としての出版を急がせたのは、
一人でも多くの人々に沖縄の事実を知ってもらいたい、
という強い強い思いからだと思うのです。


沖縄には、かつて“方言札”というものがあったそうです。
標準語(共通語)励行の強制手段として、沖縄各地の学校では、方言を使った生徒に、
この方言札を首からぶら下げさせたそうです。

そこまでして本土と同化させたかった学校側の意図は、戦争になってから
理解されたとのこと。
本土からきた兵隊たちは、沖縄の方言がわからないので、沖縄人はアメリカの
スパイだと言い、銃殺された人々が少なからずいた、というのです。


こんな話は、この本を読んで初めて知ったことです。


沖縄へリゾートで行く若者達は、ぜひ本島の戦争跡地へも出向いてほしい。
本島の真ん中を貫いている基地も眺めてほしいし。
ジェット騒音も一度聴いてほしい。

かく言う私自身も、本島でそれらを体験したのは、たった2回です。


今日ご紹介した本はいずれも、
“たとえ当事者でなくても、想像力を働かせるんだよ!
日本で起きていることをきちんと考え、未来を次の世代へ渡すのは、私達の義務なのだよ”
と、強く訴えています。



posted by ピロコ at 01:28| Comment(0) | TrackBack(0) | ことばの世界 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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