2010年05月05日

いつもあの詩を思い出す

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この公園は、我が家から歩いて2〜3分のところにある。

こじんまりとしている。

朗読公演が近づくと、私は公園の隅にある小さなステージに上がり、
木々を相手に稽古する。

風が「頑張って!」と応援してくれる。

園内の小道を歩きながら、小声で、発声練習をすることもある。

この公園に来ると、いつも、長田弘さんの詩を思い出す。



             公   園

                     「深呼吸の必要」より 長田 弘



 低く枝をひろげた梅の木々が、ゆるやかな丘の斜面にひろがっている。
花の季節が去ると、日の光がつよまってくる。
木々の緑が濃くなる。
明るい静けさが深くなる。
微風を手でつかめそうである。
きみはベンチにすわって、道すがら買ってきた古本をめくる。
梅の木々のあいだで子どもたちは、フリスビーに夢中だ。
老人と犬が、遊歩道を上がってくる。

 街のなかの丘のうえのちいさな公園だ。
赤ん坊をのせたバギーを押して、少年のような父親と少女のような母親が、
笑いあって通りすぎる。
鳩たちが舞いおりてきて、艶のある羽根をたたむ。
クックーと啼いて、ポップコーンを突つき散らす。
近くのような遠くで、誰かがトロンボーンを吹いている。
日曜日の公園の午後には、永遠なんてものよりずっと永くおもえる一瞬がある。



posted by ピロコ at 22:24| Comment(0) | TrackBack(0) | ことばの世界 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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